ECサイト・ネットショップ、ハンドメイド作品など、営利目的の販売であれば、一定の所得を超えれば確定申告をする必要があります。
ネットショップは、実店舗を持たずに比較的小資本で簡単に始められますが、物販ビジネスの確定申告は、一般的な他の職種に比べて複雑です。
経費として計上できれば、税金として支払う税金を安く抑えることが可能です。
しかし、本来経費としてふさわしくないものを計上した場合、税務署の調査が入る場合もあります。
税務調査により経費として認められなかった場合、過少申告による追徴課税や加算税、延滞税などの支払いが命じられることもあります。
経費に関する知識や節税対策について知っておきたいものです。
本日は、ネットショップの確定申告で「経費になるもの」と「経費にならないもの」について書いていきたいと思い
「勘定科目」の厳格な決まりやルールはない
ネットショップの確定申告で「経費になるもの」と「経費にならないもの」を紹介する前に、まず初めに知っておきたいことがあります。
帳簿を作成するにあたって勘定科目に迷うことがとても多いです。
勘定科目とは、誰でも同じような仕訳が行えるように設けられた、項目ごとの表示名のことです。「交際費」「荷造運賃」「消耗品費」「事務用品費」等といったものです。
「勘定科目」に厳格な法律の基準がない
実は、この費用はこの「勘定科目」という決まりや正解はありません。
勘定科目の決め方には、厳格な法律の基準がないため、企業のルールや会計ソフトによって異なることもあります。
自由に決めていいわけではない
しかし、自由に決めていいわけではなく、誰が見てもわかるような勘定科目にするなど、以下のような留意点があります。
- 一般的に広く使われている勘定科目を使用する(青色申告決算書に記載されている勘定科目を使う等)
- 項目ごとの期間比較のため、勘定科目は継続使用する
- 「資産、負債、純資産、費用、収益」の5つの分類から外れない(売上を費用とする等)
ネットショップの確定申告で経費になるもの
経費になるもの一覧表
種類 | 勘定科目 | 概要 |
---|---|---|
輸入関税 | 租税公課 | 海外からの仕入れにかかる関税 免税事業者であれば、経費として計上 |
輸入消費税・地方消費税 | 租税公課 | 海外からの仕入れにかかる消費税・地方消費税 免税事業者であれば、経費として計上 |
通関料 | 支払手数料 | 海外からの仕入れにかかる通関料 |
振込手数料 | 支払手数料 | Amazon・楽天・Yahoo!ショッピングなどから売上金が振り込まれる際の手数料 |
販売手数料・成約手数料 | 支払手数料・販売促進費 | Amazon・楽天・Yahoo!ショッピングなど、商品の販売に応じて支払う手数料 |
商品販売時の送料 | 荷造運賃 | 商品を販売した時の送料 |
梱包資材 | 荷造運賃 | 商品を梱包する際のダンボール箱、紙袋、セロハンテープ、ガムテープ、緩衝材(エアパッキン・プチプチ・ボーガスペーパー)など |
ラッピング資材 | 消耗品費 | 商品をギフト包装する時の包装紙、ギフトバッグ、ギフトボックス、ギフトシール、リボンなど |
海外からの仕入れにかかる輸入関税
海外からの仕入れにかかる輸入関税の勘定科目は、「仕入高」としているところもあります。
商品が自社に届くまでにかかった諸経費はすべてその商品の「仕入高」とされますが、通関業者が立て替えていた関税については、租税公課になります。
私は海外からの仕入れにかかる輸入関税は、経費「租税公課」として計上しています。
一般的には、販売するために購入した商品や原材料、購入した商品や原材料を運ぶための送料などになります。
例えば、交通費、消耗品の購入、従業員の給料、水道代、電気代、家賃などになります。
ネットショップの確定申告で経費にならないもの
経費にならないもの一覧表
種類 | 勘定科目 | 概要 |
---|---|---|
購入手数料 | 仕入高 | 海外からの仕入れにかかる購入手数料 |
インフルエンザの予防接種 | - | 個人事業主が1人で行っているなど、個人事業の事業主が費用負担した場合は、経費にすることができません。 |
健康診断費用 | - | 個人事業主には、事業主本人に対して健康診断を行う義務はありません。個人事業主が1人で行っているなど、個人事業の事業主が費用負担した場合、負担した健康診断費用を経費にすることができません。 |
これからどんどん増やしていきたいと思います。